ニューヨークのマンハッタンにある
PFSジークンドージムで2年ほどフェイズ1〜2の講師をしていた
ブレイクダンサーの「ノブルト」です。
今日はフィリピン武術
【カリ/アーニス/エスクリマ】
を練習/鍛錬する利点について
僕なりの現時点で理解している事、
個人的に気が付いた事などを
まとめてみようと思います!
皆様学びなど、気づきが
あると幸いです!
目次/概要
日本ではフィリピン武術と聞いてパッとイメージするのは難しいと思います!
僕は個人的にジークンドーでフィリピン武術を習うまでは存在すら知らなかったです!
そんな謎多きフィリピン武術について今日は、
練習/鍛錬する利点などを詳しく解説していきます
フィリピン武術「カリ」とは?
まず日本ではあまり馴染みのないフィリピン武術ですが、
実はアメリカでは警察、軍隊、特殊部隊などでは必修科目みたいになっています。
僕が行ってたジークンドージムでもたまに師匠が週末に
警察にカリ(フィリピン武術)の指導なども行う事がありました。
アメリカではFMAとしてまとめられています
※FMA=フィリピン武術=(Filipino Martial Arts)
Filipino=フィリピンの
Martial Arts=武術
そんなフィリピン武術ですが3つの主な呼び方あります
【アーニス】
【エスクリマ】
【カリ】
アーニスとエスクリマという呼び方は、
フィリピンがまだスペインに統治されてた時代に生まれた名称だとされています
【アーニス】
スペイン語で鎧という意味の “arnes” から来ているとされています
【エスクリマ】
スペイン語でフェンシングという意味の “esgrima” から来ているとされています
【カリ】
そしてカリはという言葉はビサヤ語のKA・MOT(手)と
LI・HOK(動き)に由来し、両者の頭文字をとった呼び方で【KALI】
※この3つの呼び方がありますが基本的には同じ武術です
そしてフィリピンのそれぞれの地域/場所によって
流派など派閥が色々存在するという感じです
フィリピン武術は主に武器術として
世界中の警察、軍隊、特殊部隊などに幅広く学ばれている武術です
主に「カリスティック」又は「エスクリマスティック」と呼ばれる
ラタン素材の棒を使って武器術の稽古を行います
そしてカリスティックの技術はダガー(ナイフ)の技術としても
応用が効き、素手の技術としても使えるとして
軍隊、合衆国連邦捜査局(FBI)などのトレーニングとして採用されています
なぜなら警察など軍隊は一応銃が使えますが、
エンプティハンドコンバット(素手の戦闘)で相手を制圧する技術というのは
かなり重要になりますので、カリの技術は特殊部隊などで重宝されています!
練習内容などはそれぞれの教える先生によって
大きく異なる場合がりますが、主にこれ等の練習内容で練習を行います
シングルスティック(片手棒術)
ダブルスティック(両手棒術)
シングルダガー(片手ナイフ)
ダブルダガー(両手ナイフ)
エンプティハンド(素手)
シングルスティック&ダガー(片手棒と片手ナイフ)
ディスアーム(武装解除)
フィリピン武術とジークンドーの関係性
一見関係ないように思えるジークンドーとフィリピン武術ですが
ブルース・リー大師の映画「燃えよドラゴン」で
カリスティックを作中で使用してかなり有名になりました!
ですが、カリは伝統的なジークンドー(ジュンファングンフー)には
含まれていないと言われています!
僕が理解している範囲でなぜ多くのジークンドージムなどで
フィリピン武術が学ばれるのかを皆様に紹介したいと思います
以前のブログで「ジークンドー(截拳道)とは?」について紹介しました
その記事内でジークンドーは2つの大きな流派に分かれていると紹介しました
この二つの流派はそれぞれブルース・リー大師の哲学の違う部分を
大切にして技術を継承しています
簡単にそれぞれの流派の大切にする哲学を説明すると
デッド・ウォン師父(オリジナルジークンドーと呼ばれる流派)
考え方:
「色んな技を10000個知ってる人より、
1個の技を10000回練習した人の方が怖い」
ここではどういう事かと言うと
色んな技を覚えるより、
数少ないが、致命的な必殺技を何個か準備している人の方が強い!
こちらの流派ではブルース・リー大師が残した
ジークンドー(ジュンファングンフー)の技術を大切にしているとされています
僕もこの考え方はかなり重要だと思います
ブレイクダンスなどでも大会とかステージでパフォーマンスする時に
緊張して技が出て来ないのは練習不足だと僕は思います
ですので、技は絶対に決めれるように10000万回でも練習した方いいと思います
いっぱい練習すれば攻撃に対する許容範囲も広くなって余裕が生まれます
「基本でも極めれば必殺技」だと思います!
ブレイクダンスでもそうです
基本の技でも綺麗にお手本のように
出来る人はそこまで多くいませんし、
基本でも綺麗にできれば相当凄く見えます!
ダン・イノサント師父(コンセプトジークンドーと呼ばれる流派)
考え方:
「使える技術は取り入れて、
使えない技術は削いで行く」
ここではどういう事かと言うと
色んな格闘技を試して
そこから使えると思った技は取り入れて
使えない技は無くしていくと言う考え方
これは当時ブルース・リー大師がまだ生前の頃
自ら色んな格闘技を試して自身で行なっていた事です。
そしてリー大師はイノサント大師にこんな事を言っています
「ジークンドーは、人それぞれゴールが違う
自らのルーツ(祖先)を勉強すればそれが強みに変わる!
だから俺は中国武術を学んだ、お前も自分のルーツを知るべきだ」
その言葉によってダン・イノサント先生は自分のジークンドーに
自分の祖先でもあるフィリピンの武術「カリ」を取り入れたんだと思います
そして僕が学んだ
PFSジークンドーではカリをひっくるめて教わったので
最近になるまで、僕は個人的に全てがジークンドーだと思い込んでいました😅
フィリピン武術を練習する利点
僕がまだフィリピン武術をジークンドーだと思って練習していた時に
すごく合理的だなと思ったことを説明していきたいと思います
あくまでも僕個人的に思った事なので
1意見だと捉えてもらえると幸いです
フィリピン武術カリの利点:
握力強化
反射神経向上
武器に慣れる練習
身近にある物を武器の代わりに代用できるようになる
これ等が主に僕が個人的に感じた利点です
それぞれ解説していきたいと思います
握力強化:
まず初めに握力がかなり鍛えられます!
特に指の力がかなり強くなると個人的には感じました!
なぜかと言うと、カリスティックを素振りでも打ち付け練習でもしていると
初めは腕の筋肉にきますが、指の動きを司る前腕部分の筋肉がかなり刺激されます!
これはまさに掴む力が鍛えられます。
掴む力は組技など寝技の時に、優位に立つのにかなりの役割を担ってくれます
PFSジークンドーでは組技、寝技の練習があったので気が付けた事だと思います
関係ないようですが、かなり理にかなっていますよね?
もちろん他の部分の筋力など、テクニックを知ってこそ本当の強さを発揮しますが
そして個人的にスティックを振り回して型などを練習していると
肩周りの筋肉と肩甲骨の関節が矯正されているような感覚がします
※この矯正現象は個人的に感じた事ですので医療的な証明などはありません
反射神経向上:
そして反射神経/動体視力/反応スピードが向上します!
まずスティックなど棒/武器を振り回して練習していると
その武器が自分の体などに当たらないようにコントロールが必要になります
ですので、物理的空間把握能力が鍛えられます
そしてそれ等に慣れると次は早く振り回すようになると思います
ここでは反射神経の向上が期待できます
そしてフィリピン武術ではドリルなどをして
目慣らしと言う事をします、どういう意味かというと?
約束稽古と言う練習方法です
主に練習をつける側と練習する側でで分かれて
攻撃を流したり武装解除の練習をしたりして
色んな攻撃パターンを知る事につながります
そして攻撃パターンを知れば防御パターンを知る事にもつながり
最終的に防御の時の反応スピードが鍛えられて反射神経向上に繋がります
※もちろん反射神経だけ向上しても入り方とかタイミングなどは
何度もスパーリングを経験しないと身に付かない事なので
そこは勘違いしないようにしましょう
武器に慣れる練習:
武器に慣れるとはどういう事かというと?
本物のナイフじゃないにしろその形状のもので練習すると
いざという時に、何も練習したことのない人に比べれば
対応は比較的に容易になります!
おすすめは練習時にゴムのナイフでもいいんですが、
刃先が尖っていない鉄タイプの練習用ナイフで練習を行うと
刃物または鉄が実際に肌に当たった時の感覚、というのがわかるようになるので
個人的にはかなりいい練習だと思っています!
※例え怪我をしなくても、練習時にちゃんと危機感を持って練習した方が
実践の予行練習みたいになるので個人的にはお勧めです!
身近にある物を武器の代わりに代用できるようになる:
これは考え方ですね!
フィリピン武術ではカリスティックをベースに色んな攻撃方法、防御方法を教わります
そしてスティック技術というのは短いナイフの様な武器でもそしてまた素手でも
同じように使えるようにデザインされています!
ですので技術を身に付ければ色々と護身術の時に身近にある物で
応用が効くという事になります!
応用武器例:
ペン、カバン、マフラー、ベルト、携帯等…
※もちろんスティック技術以外の見え方などはスティック技術に比べて若干違うので
全くフィリピン武術を知らない人から見たら、動きが違うように見える可能性もございます
僕が聞いたフィリピン武術の教え:
フィリピン武術じたい教える先生によって
『他の格闘技/武術と掛け合わせて練習しなさい』
と言うような教えのところもあるみたいで
すごく解放的な考え方だと思いました
※僕は個人的に家族など大切な人を守れる強さが欲しいので
強くなれるなら色んな技術を平行して教わった方がいいと考えます!
実際に僕はブレイクダンスのアスレチックな動きのおかげで
身体能力が飛躍的に向上しました!
もちろん血と汗が滲む努力の上に成り立っていますが😅
実践で使えるのか問題?
どの格闘技も戦闘術も護身術も突き当たる問題があります
それが実践で使えるのかと言う問題です!
僕の経験上、実践などストリートでの自信をつけるには
特定のトレーニングが必要という結論に至りました
僕自身ボクシング5年とテコンドー1年、ムエタイ1年とフルコン上りで
正直武術という物をあまり真剣に信じていませんでした!
どちらかといえば技術云々よりも力があれば勝てるみたいな考え方を
持っていたので、友達にジークンドーに誘われた時も
ブルース・リー先生のファンでも何でもなかった僕は
「何それ美味しいの?」みたいなノリでした
ですが実際にテストスパーリングで何度も攻撃を交され、その上相手の攻撃は当たる
という悲惨な状況を経験したのち悔しさでジークンドーを始める事になりました
僕の通ったジークンドージムは色んな技などを教えてくれ
そして毎回の授業でクラス全員とスパーリングします
個人的にこの練習方法はかなりいいと思いました!
理由は上級者、初級者関係なく強い人とも当たるし
初心者とも当たるので色んなジャンルの人の攻撃パターンを知ることができるので
凄くいい経験値がたまったと思いました
普通の格闘技ジムでは格闘家の攻撃しか目にしません、
ですのでそれに対する反応しか身につけることができません!
素人の攻撃方法は若干癖があったり案外最初は見切るのはかなり難しいと感じます
しかも実際にストリートなどで犯罪などを行う人は大概素人です。
なので素人の攻撃パターンも知っておくのはかなり良い事だと思います!
そして最も大事な練習方法はやはりストレス下トレーニングだと思います!
色んな護身術学校がありますがこのストレス下でトレーニングを行う所は
あまり多くはないと感じます
トレーニング方法としては単純で2人以上に襲われた時の対処などのトレーニングです
このトレーニングは色んなやり方がありますが、
最も基本的なのは襲う側が防具をつけて
状況を作り練習する/トレーニングする人を40%ほどのパワーで襲います!
そして練習する側が必死に状況を今まで身につけた技などで切り抜けます
こういうトレーニングは実際の状況を催してトレーニングを行うので
過激ではありますが予行練習としてはかなり有効です!
※フィリピン武術のジムでも実際に軽いスパーリングなど、
シチュエーションストレストレーニングを行う所は実践的だと思います
ですがこれ等の練習が無いところは
実践で使えるのかと言われれば、そこは個人の練習次第になってきます
そういう練習がなくても個々でそういう練習を取り入れる
又はセミナーを受けたりして自分で技を使える方向に練習していく必要があります!
ジークンドーと思っていても実はフィリピン武術要素が強い技:
3カウントジャブカウンター:フィリピン武術ではスプリットエントリーと言う
パクサオ・パクダーこれもフィリピン武術のフバッドの練習にある
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